高知市は子どもの夢が叶うまちってホント?

こうちこどもファンドってご存知ですか?

「こうちこどもファンド」という取り組みはご存知でしょうか?子ども向けのよくある基金かなんかだろうと思った方もいるかもしれませんが、この取り組みがすごいんです。 簡単に概要をまとめると以下のとおりです。

  • 子どもたち(18歳以下)が自主的に高知のまちづくりに関するアイデアを提案する
  • 審査会が行われ、選ばれたものに市が助成を行う
  • 3人1組でチームを組み、昨年度(平成26年)は9プロジェクトに助成
  • 子どもたちがプレゼンをして、子どもたちが審査をする

要約すると、子ども向けのまちづくり助成金です。市町村レベルのまちで子どものまちづくりというと、よくあるのはボランティア活動への参加。清掃活動や、防災訓練の手伝い、あとは老人ホームなどに訪問するものなどでしょうか。直接的なまちづくりではありませんが、こどものまちというのも有名ですね。これは期間限定の仮説都市(こどものまち)をつくり、そこで働いたり、遊んだり、学んだりする取り組みのことです。子どもたちが仮説都市で活動することで、地域や社会のことを学ぶのが主の目的だそうです。ドイツのミュンヘンを参考にして、全國各地に波及しています。(詳しくはこどもがまちをつくる―「遊びの都市(まち)‐ミニ・ミュンヘン」からのひろがりを参考にされてください)

子どもに任せるまちづくり

全國的な子ども参加のまちづくりを見ても、子どもに主体を持たせ、本物のまちづくりに参画させる高知の取り組みは天晴れですね。加えていえば、子どものまちづくりだけを目的とした助成金がある市町村は珍しいということです。(私の知る限り高知市のみです) じゃあ具体的にどんな提案が子どもたちからされているかというと、実にユニークな提案ばかりです。

  • 伝統料理を地域のばあちゃんから教わり、「食のカタログ」をつくりたい中学生たち
  • 商店街に風鈴と短冊を飾り付けて活性化を目指す中学生徒会
  • 自分たちが育てた野菜を、地域のお年寄りにプレゼントする近所の子どもたち
  • 地域の人と一緒につくるミュージカル公演がやりたい小学生たち
  • 防災訓練を地域住民と一緒にやりたい中学生徒会
  • シャッターやまちの落書きを消す高校生たち

などなど。これはほんの一部なんですけど(本当は全部紹介したい)、楽しそうだし、ただのやりたいって気持ちだけじゃなくて、地域のことをよく考えた提案になっていますよね。

こうちこどもファンドの意義とは

こうちこどもファンドはただのこども向けのまちづくりと説明すれば、確かにその通りですが、もっと深くその意義を考えてみようと思います。私の考えるその意義は大きく2つです。

子どもの参画度合いの高さ

子どもの参画といえば、ロジャー・ハートの「子どもの参画のはしご」というものが有名です。(子どもの参画―コミュニティづくりと身近な環境ケアへの参画のための理論と実際に詳しく書かれています) Sankaku4 このはしごでは、参画の段階を8段階にして、下位の参加が非参画で階段を上がるにつれて参画の度合いが高まるようになっています。少し日本の子ども参加の取り組みを整理してみると、上述したようなボランティア活動は先生や親から「行きなさい」「やりなさい」と言われるものがほとんどで、高くても4段階目、ほとんどは1〜3の非参画です。 これに対し、「こうちこどもファンド」はどうかというと、サポーターとして大人が2名チームに入らなければいけないというようなルールはあるものの、ほとんどは子どもたち主導で提案、実行されていくわけですから、低くても6、主体性がしっかり保たれれば7~8ということになります。これほどに高い参画の度合いの取り組みは国内ではかなり先進的といえます。

なんで参画させないといけないか

ここが肝です。高知では子どもの高い参画が保たれている。じゃあそれにどんないいことがあるか?それには地域が多様になっていく意義があります。これは大きな意義です。子どもが地域に参画することで、地域に多様性を生み出していく。子どもたちは、大人よりも未来志向です。なぜなら、これからも長く生きていくのは、大人よりも子どもですから。また、ドイツの子ども参画の先進地であるミュンヘンの担当者の方はこんなことを言っていました。

これは長年、こどもの参画したまちづくりについて取り組んできたから、わかることですが、子どもが悪いと考えることは、すべての住民にとって悪いことです。また、子どもが良いと思ったことは、すべての住民にとって良いことなのです。そして、子どもの出す提案は、大人が出す提案に比べて、子どもが素直であることから、非常に合理的で、経済性の高いものが多いです。子どもがまちづくりに参画することによって、大人にもやさしいまちになっていくということなのです。

子どもの参画がいかに大切かわかる言葉だと思います。高知といえば、イケダハヤトさんが移住されたことで有名ですが、こうちこどもファンドも注目です。これに習って全国に本物の参画が広がっていけばと思います。(よく調べてみたらイケハヤさんも記事を関連記事を書かれていました) 余談ですが….ちなみにこの「こうちこどもファンド」のアドバイザーには、早稲田大学の卯月先生が入っているとのこと。卯月先生はミニミュンヘン研究会でも活躍されている方で、一度お会いしたいなとは思っているのですが、さすがの取り組みです。 またまた余談ですが、今回書いた内容の要約版をJ-cef(日本シティズンシップ教育フォーラム)のJ-CEF NEWSに寄稿させていただきました。

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