民主主義を体感する場としての若者議会の可能性(前編)

本文に先立ちまして、少年議会の前日という忙しい時にヒアリングを温かく受けてくださった遊佐町の皆さん本当にありがとうございます。そして、こんな怪しい僕らのインタビューに答えてくれた少年議会の中高生の皆さんも本当にありがとうございます。

「ゴッコ」ではもったいない。

子ども議会や、若者議会という名前を聞くことが多くなりました。選挙権年齢の18歳の引き下げに合わせて、我が焼津市でも子ども議会が始まるようです。全国にあるこれらの取り組みには、「議会」という名前は付いているものの、「ゴッコ」のものがほとんどのように思います。

地元の小学生や中高生たちが実際の議場に入り、(シナリオが決まっているものを)話す姿は絵的にもいいですよね。それで、「まちのために〜」とか語ったものなら、メディアも食いつきそうです。

しかし、本当にこれでいいのか?と疑問を持たれている方もいらっしゃるでしょう。全く意味がないとは言いませんが、せっかく取り組むんだったら、もっと頑張れないものかと…。少なくとも、僕はそう思っています。

そんな中、全国でも先駆けて中高生による議会に取り組んでいる遊佐町の少年議会をヒアリングしてきました。なんと今年で13年目になるそうです。

遊佐町ってどこ?

詳しい内容に入る前に、遊佐ってそもそもどこなの?どんなまちなの?を簡単に。

  • 山形の最北端にある町
  • 人口は約1万4千人
  • 中学校1校、高校1校(中高生の総数は約760人)
  • 特産物はパプリカ
  • 自然派が暮らしたいまち 東北エリア5位(某誌によると)
  • 田舎派が暮らしたいまち 東北エリア3位(某誌によると)

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冬の山形はかなり寒かったのですが、人口が約1万4千人の小さな町ということもあってか、みんな気軽に話しかけてくれて、人が本当に暖かいまちです。温暖な静岡から出発した僕らにとっては、凍えそうな中、心だけでも温かくなったのは救いでした。そして、地元民に冷たい目で見られながら、雪遊びをするのでした。(静岡県民あるある)

45万の予算を自由に使える。

遊佐の少年議会の対象は、中学生、高校生です。少年議会という名前ですが、もちろん男女関係なく参加できます。毎年、役場から各中学・高校に少年議員の公募についてお知らせをして、自主的に「やりたい!」と思った子たちが立候補し、定数(10名)を超えた場合は各中学・高校で選挙、定数に満たない場合はそのまま少年議員になれるという仕組みです。

遊佐の少年議会は、上述したように13年続いているというのもすごいのですが、もっとすごいのは実際に選ばれた少年議員たちが自由に予算の使い道を決める(政策立案する)ことができる点です。なんと予算は45万円です。いくら選ばれているといえ、中高生たちに45万円を自由に使っていいよという太っ腹な自治体はなかなかないですよね。そういえば、前の記事で書いた新城市は1000万円でしたね。

選ばれた少年議員たちは、それぞれマニフェストを掲げて立候補します。しかし、彼らはあくまでも町の中高生の代表であり、間接民主制の観点から、実際の政策立案は、選挙後に行われる中高生向けのまちに関するアンケート調査の結果を受けて議論します。(アンケート調査の分析も彼らがするようです。)

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大きな流れとしては、本物の町長や副町長、各課長、教育長などが出席する全3回の少年議会(下記参照)に加え、中高生の少年議員だけで行われる全員協議会があります。全員協議会は月によって変動するそうですが、多い時には週に1〜2回程度は行うそうです。

【少年議会の流れ】

第1回 所信表明

第2回 政策提言

第3回 議会報告

第2回の政策提言をする少年議会では、本物の議会質問のように各課の課長さんたちが事前に送られてくる内容に対して返答をするようです。担当者の方も第2回が一番面白いとおっしゃっていました。

さて、では彼らは一体どんな政策を立案したのでしょうか?そして、実際に参加している中高生たちはどんな思いで関わり、どんな変化があったのでしょうか。

後編はこちら