神奈川では小学生から政治参加教育を。

小・中学生から政治的教養を!

高校生に向けた主権者教育が注目されている中、今年の5月から神奈川県では、小・中学生向けの政治的教養を育むプロフラムの開発がはじまったそうです。

神奈川県教委は、小・中学校での政治的教養を育む教育実施に向け、第1回検討会議を5月27日、横浜市のかながわ県民センターで開いた。

選挙権年齢引き下げによる高校生の主権者教育推進を視野に、小・中学校段階での主体的な社会参画力を育む学びの在り方や指導資料作成に向けた協議を深める。

慶應義塾大SFC研究所の西野偉彦座長は、今後の議論の意識点として、指導時の教員の政治的中立性や小・中・高校につながる体系的な学びなどを指摘した。

早い段階からの取り組みは重要!

18歳選挙権の実現から、高校生向けの主権者教育が重要なテーマになりました。総務省と文科省がつくった副教材もその流れですよね。今まで何も取り組んでいなかったことを考えると、この動きは非常に重要なことだと考えています。

しかしその一方、たった高校3年間で主権者としての意識が育つのかというと、難しい現実もあります。これとこれを学んだから「あなたは主権者だ!」というのもおかしな話ではありますが、何事も早くから取り組むことが大事です。

そんな中で、小学生から取り組もうとする神奈川の動きは素晴らしいですね。

育てたい力のイメージでは、「さまざまな課題を通し、他者と連携・協働しながら、自らの考えを深め、主体的に判断し、より良い社会のために行動できる力」を掲げた。

そのための学びのプロセスとそれぞれで育みたい力は、▽自分の身の回りの出来事に関心を持つ(関わる力)▽学級、学校、地域の課題に気付く(情報収集力)▽課題を考える(多面的、多角的思考)▽多様な考えから自己の考えを構築する(当事者意識に基づく判断力)▽他者の考えから自己の考えを再構築する(合意形成力)▽再構築した自分の考えを主張する(意思決定力)▽主体的に行動する(社会参画力)▽自分自身を振り返る(自己肯定による改善)――というステップを想定する。

小・中学校の指導の在り方では、主に社会科、特別活動、総合的な学習の内容を押さえ、小・中学校間の連携を意識しながら、発達段階に応じた指導を考える。社会科では、政治や社会、地域課題に関心を持ち、基礎的、基本的な知識を生かして主体的に社会参画する姿勢を養う学びの推進を視点とする。

スッテプ・バイ・スッテプのカリキュラムを

実際に小学生からのカリキュラムを考えるのならば、小・中・高の、18歳までの12年間で一貫したカリキュラムが組めると良いですね。

せっかく小学校で学んだことも、中学にあがって振り出しに戻ったのでは意味がありません。それぞれの世代の成長段階に合わせたカリキュラムや参画プログラムをつくりたいなといつも考えています。

学校外での実践も交えて

また、「政治的教養」を考えるときに、学校内だけでなく学校外の視点も非常に重要になると思います。育てたいイメージにもある「さまざまな課題を通し、他者と連携・協働しながら、自らの考えを深め、主体的に判断し、より良い社会のために行動できる力」は、学校外の地域の中にはいってこそ育まれるものではないでしょうか。

少なくとも「より良い社会」は学校の中だけではなく、学校の外にあります。学校の中で、社会の話をしても机上の空論です。

この会議の座長は、私と同じくNPO法人Rightsで活動する西野偉彦さんということもあり、神奈川の今後に非常に興味を持っています。この動きに合わせて、各地域でもより低い世代へのアプローチが行われればと思います。