「教えること」は有害である。

カール・ロジャーズを読む。

僕の尊敬する方が、ロジャーズから強い影響を受けたと話をしていたのを思い出して、ロジャーズの本を手に取ってみました。

カウンセリングの神様

ロジャーズといえば、「カウンセリングの神様」と呼び声が高い方で、「エンカウンターグループ」で有名ですよね。心理学などを学んでいれば、必ずでてくる名前です。

まずは、入門書。 諸富祥彦さんの『カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ』です。

ロジャーズの一生から考え方まで、本当に細かく書いてあります。この人はロジャーズが本当に好きなんだなと思える一冊でした。

この本を読んでいて、気になったのでもう一冊。 ロジャーズの教育観について書かれた『学習する自由・第3版』です。

「教えること」は有害である。

本書の第6章「教えることと学ぶことについての私見」で書かれている「教えることは有害である」にグッときました。

⑴教えることの結果は重要でないし、有害でさえある。

⑵教えることができるものは重要ではない。人間の行動に影響を及ぼさない。

⑶重要なのは、自分で発見し自分で自分のものにした学習である。

⑷ひとりで学んだものや、人間関係において学んだものに大切なものが多い。

また上の考えを踏まえて、下のような提案もしています。

⑴教えることはやめた方がよい。学びたい時には、人は自ずと学んでいく。

⑵試験もやめた方がよい。試験で測れる結果は重要なものではない。

⑶成績評価、単位、学位もやめた方がよい。

⑷結論の提示はやめた方がよい。結論から重要なことを学び取ることはできない。

自分自身を振り返ってみても、学校の授業で学んだこと(教えられたこと)は半分以上も覚えていませんが、自分から主体的に学んだことは今もしっかり記憶に残っています。 flip_learning-pyramid.png これはそれぞれの学習方法で半年後にどれくらい定着しているかを示したラーニングピラミッドにも通じる考え方です。

日本の教育はどう?

ロジャーズは、様々な領域に影響を与えた人物であり、こうした考え方の背景には、ロジャーズの考え方の根本にある「あるがままの自分」でいることに通じています。

日本の「教えることを重視した」教育システムの中にいる子供たちは、「自分」でいるのが難しいように思います。アクティブラーニングが推進され、教育に見直しがかかっている今、ロジャーズがいうような教えない教育は実現できるのでしょうか?