プロセスに当事者がいない居場所はただの押し付けだ。

子ども・若者の居場所は大人の押し付け?

約1年間準備をしてきた焼津駅前の若者の地域活動拠点が、今年の2月にオープンすることになりました。

子どもや若者の居場所施設は児童館等をはじめ各地にありますが、本当の意味で若者の居場所にしていくのならばその設置プロセスから若者が関わるべきだと考えています。

大人たちから「はい、君たちの居場所だよ」と提供された場所は、自分たちの居場所だと思えるわけがありません。どんな場所にするのか?という最初の部分から若者が参画してこそ、自分たちの場所になっていきます。

そんな思いが一番にあったので、この拠点は昨年の3月から市内の高校生、大学生などを公募した設置準備会議を2週間に1回開催してきました。

「どんな場所にしたいか?」「ここでどんなことをしたいか?」「どんなルールが必要か?」「ここに何を置くか?」など、時間の許す限り拠点のすべてのことについて議論を重ねてきました。

1160人の声がつまった拠点の名前

そして、最も力を入れたのがこの拠点の名前です。

プロセスから若者が関わるべきだと言いつつも、この会議に参加できる若者の声だけで決めたのでは、焼津の若者の拠点とは呼べません。参加したくても部活や勉強が忙しくて来られない人もいたかもしれないし、そもそもそんな会議をやっていることを知らない人もたくさんいたはずです。

そこで、この会議に来ている若者たちで話して、拠点の名前を決めるという大事な決定はできるだけたくさんの若者の声で決めようということになりました。

声を集めると言っても、名前の案を出してもらうのか、それとも設置準備会議で案をいくつか出して選択式にした方がいいのか。

何人分集めるかも悩みどころです。

焼津市からの情報提供によれば、15~19歳の焼津市の人口は6872人、市内の中学生は3749人、合わせて約1万人。

本当は1万人に聞きたいけど、さすがにそれはできない。

最終的に「1割は集めよう」と話し、1000人分を目標に、設置準備会議で4つの案を考えて選択式で回答するアンケートをすることになりました。

アンケートを集める方法も多様にあった方がいいと意見が出て、若者が集まる音楽イベントでパネルを出して集めたり、学校へのアンケート、SNSなどを使って集めていきました。

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「僕ら全校生徒分集めてきますよ」

先生を通して高校にアンケートのお願いをしようかと話していたところ、高校生から力強い発言。

本当にできるのかな?とちょっと不安な気持ちと、こいつらすげぇなという期待感を抱きつつ、気づけば2週間もしないうちに本当に全校生徒分集めてきて、集計もしてきてくれました。(もちろん先生には許可をとったそうです 笑)

そんな過程を通して、駅前拠点の名前は「若者ぷらっとホーム やいぱる」になりました。

この名前には、設置準備会議の中で、「交流」「出会い」「地域に出る」などが拠点のキーワードとして挙がっていたことから、若者の居場所でありつつも、ここを拠点に地域に出ていったり、この場所での出会いが促進されるように、という思いが込められています。

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具体的には、「若者ぷらっとホーム」には、若者が「ぷらっと」立ち寄れて、そこからプラットホームのように地域に出て行くことや、たくさんの出会いが生まれるという意味が、

「やいぱる」には、焼津の「やい」と、拠点が位置している「栄町」の「栄える」を英語にした”palmy”から、この拠点を中心に人や出会いが栄えていくことが由来となっています。

現在進行形で進化して行く場所に。

自分たちのことを褒めるようで恐縮ですが、本当に素敵な名前です。

そして、ここまでに時間をかけた過程とそこに詰まった思いが、この素敵さをより一層引き立ててくれています。

もちろん本当はもっとたくさんの声を集めたかったし、決め方ももっと工夫できたかもしれない。その気持ちは、設置準備会議に参画している若者たちも一緒だと思います。

だから、常にこの拠点は焼津のすべての若者を背負いながら、現在進行形で進化していかないといけないし、ゴールはなく、永遠にプロセスです。

プロセスを共有して、一緒につくっていく。

さて、やっとオープンする「若者ぷらっとホーム やいぱる」

焼津の若者からも、地域の人からも、みんなに愛される場所になっていくように。

まだまだ未熟な部分や、足りない部分もたくさんあります。

この場所のことを知らない人もたくさんいるだろうし、決まっていないこともたくさんあるし、抜けがあることもきっとある。

だからこそ、若者だけではなく、様々な人の助けを得て、プロセスを共有しながら一緒つくっていきたいなと思います。

【土肥潤也(子ども・若者の地域参画コーディネーター) プロフィール】

静岡のNPOで活動をしながら、東京の大学院に通う。

静岡と東京の2拠点生活をする実践者兼学生(研究者)

プロフィール
土肥潤也(子ども・若者の地域参画コーディネーター )土肥潤也(どひじゅんや)略歴子ども・若者の地域参画コーディネーター。1995年1月17日...

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