人が集まるイベントをつくる7つの原則

昨年の12月頭に京都の同志社大学政策学部の佐野先生にお招きいただき「幸せな人口減少社会のデザイン」という講義で講演をさせていただきました。

受講されていた学生さんの中には、地域活動に取り組んでいたり、学内活性化のための学生団体の代表をしていたりと、アクティブな子が多く、質疑も活発にしてくれました。

そのなかで、「どうやって人を集めているのか?」という質問があり、「ちょっと内容が濃いから回答はブログでします!」とお伝えしたので、今日はそんな記事を書いていきます。(同志社の皆さん投稿が遅れてしまい、ごめんなさい 汗)

ちなみに書きながら、組織に人が集まるのと、イベントに人が集まるのとでは、性質が違うなと思い、今回はイベントの方の記事です。

人が集まるイベントにするための7つの原則

concert-768722_1920

イベントに人が集まらないというのは、あらゆる場面で聞く課題です。

僕は主に地域活動の現場で4000人が来場する音楽フェスから、40~50人規模の講座、5人くらいの勉強会まで、大中小様々なイベントを年間50以上は企画しています。

そんな経験から最近はイベントづくりの相談に乗ることも多くなりました。

あくまでも自分の経験上からでの話にはなりますが、7つの原則を掲げてみました。

原則1 まず、本気で集めようとする。

第1の原則は、本気で集めようとすることです。

このあと6つの原則が出てきますが、まず本気であればだいたい人は集まると思っています。これは精神論の世界ですが 笑

つまり本気であれば、人間はあらゆる手段を使って人を集めようとするはずです。例えば、街に出てチラシを配ったり、知り合いに片っ端から電話をしたり。

まったく人が集まっていないのに、そうした行動にうつれないのは、そのイベントに本気になれていないことの裏返しではないでしょうか。

その場合はもう一度、自分は、もしくは自分たちは「このイベントを通して何を達成したいのか?」「なぜ企画したのか?」を見つめ直すことをお勧めします。 

本気でお勧めできるイベントを企画しましょう。

原則2 対象者をかなり明確にし、ペルソナ分析する。

イベントの対象者の絞り方がかなり甘いことがあります。

例えば、「〇〇に関心がある人」「〇〇に興味がある人」もしくは、大学生、母親世代など。経験上、こんな曖昧なターゲットでは、人は集まりません。

実は、万人受けするイベントをつくろうとすればするほど、広報は難しくなります。なぜならそうしたイベントは広報の受け手に「別に行かなくてもいいや」「行けたら行こうかな」レベルのワクワク感しか生み出せないからです。

裏返せば、「どうしても行きたい」「私のためにつくられたようなイベントだ!」と思わせる広報をすると不思議と人が集まるんです。

つまり「〇〇に興味がある人」ではなく、「例えば、〇〇さんに来て欲しい」とあげられるかどうかがポイントです。

その「〇〇さん」が来てくれるには、どんなタイトルのイベントで、どんなリード文のチラシで、いつ、どんな内容だったら参加してくれそうかを考えて、広報をします。

原則3 響くタイトルをつける。

イベントのタイトルは超重要です。魅力的なイベントはタイトルにかなりこだわってます。

自分や自分たちにとって響く言葉でも、他の人が見たときに響く言葉とは限りません。

もしグループで企画しているなら10個くらいタイトルをブレストして、シール投票などで一番ワクワクするタイトルを選ぶのもオススメです。

例えば、「話し方」についての勉強会を開催するとして、僕は下のようなブレストをしました。

「話し方勉強会」

「話し下手でも1時間で身につく話し方の5つのコツ」

「衝突を解消する話し方の考え方と方法」

「思春期の子どもと向き合う話し方の姿勢」

「素直な気持ちを伝える話し方」

「”伝える”から”伝わる”話し方講座」

という感じで、同じ「話し方」がテーマでもタイトル次第で印象がガラッと変わります。誰に伝えたいかを明確化するのが大事です。

タイトルのつけ方のコツは、コピーライターの佐々木圭一さんの『伝え方が9割』を読むと非常に勉強になります。

佐々木さんの本の中では、タイトルのつけ方(伝わるタイトル)には法則があると書かれています。つまりネーミングはセンスではなく、鍛えれば育つ力です。

日々色んなタイトルやキャッチコピーに触れて、響くタイトルの法則性を自分なりに見つけていくと「伝わる」タイトルがつけられるようになります。僕もまだ訓練中です。

原則4 あなたが主催者だから「行ってみようかな」をつくる。

中小規模のイベントであれば、誰が主催しているかが重要なポイントです。「何をやるのか」と同じくらい「誰がやるのか」が大事なんです。

「内容に興味はあるけど、知り合いがいないから行けない」という声はよく聞きますよね。

これこそ「誰が主催するか」が大事な所以です。

裏返せば、あなたが今企画しようとしているイベントに誘えそうな人の個人名が5人くらい思い浮かばなければ、人を集めるのはかなり難しいでしょう。この辺りの話は、僕の地域活動の先輩、山ノ内さんもブログで書かれています。

過去にはこんなストーリーもありました。

「高校生が2週間で80人を集めたクリスマスイベント」

数年前に高校生が主体となりクリスマスイベントを企画したことがありました。実際に動き出したのは2週間前。目標人数は50人。

正直かなり厳しい状況です。

ただこのイベントには最終的に80人が集まりました。

なぜ人が集まったかというと、それぞれ学校が違う企画メンバーが10人以上いて、それぞれがそれぞれのネットワークの中で広報をしたからです。

当たり前なことですが、ひとりで50人集めるよりも、10人で50人集める方がハードルが低いですよね。

ひとりで企画して人が集まるか不安な人は、このクリスマスイベントのように複数人で企画するのもオススメです。メンバーのマネジメントは大変ですが、企画メンバーが多いほど、多様な人を誘えるようになります。

そしでできれば違うネットワークを持っている人同士で企画することが重要です。というのも、同じネットワークの中で生活している人同士で企画をしても、それよりも広がって広報をするのは難しいからです。

原則5 目標人数を20%増くらいで設定する。

第5原則は、目標人数を20%増くらいで設定することです。

目標20人であれば30人くらい、目標50人であれば65人くらい、目標100人であれば120人くらいに増して目標人数を設定します。

なぜ20%増にして目標人数を設定するかというと、例えば、20人を目標にして広報をしているときに、途中段階で10人くらいから申し込みが来ると、人間はなぜか「もう大丈夫だろ」と満足してしまいます。

つまり20%増で設定をしておけば、この「もう大丈夫だろ」のラインがどんどん上がっていくことになり、結果として目標人数を達成することにつながります。

グループで広報をするときも、ひとり5人くらい集めないといけないときは目標をひとり8人にするようにしています。

原則6 広報応援者を増やす。

原則6は、広報してくれる応援者を増やすことです。

つまり何かイベントを企画した時に、企画メンバーではないのに、チラシを配ってくれたり、SNSの情報を拡散してくれたりと、応援してくれる人を増やすことです。

そして広報応援者を増やすために最も重要なのは、広報応援者を意図して増やそうと思わないことです?(矛盾してますよね 笑)

僕が言いたいのは、使う使われるの関係ではなく、自然と応援したくなる関係性をつくるのが重要だということです。

「なんかあいつがやってると応援したくなる」

「イベントは行けないけど、知り合いには知らせてあげたい」

など、自然と応援者になってくれる人がたくさんいれば、勝手にイベントに人は集まってきます。

これは応援することによるメリット・デメリットという損得感情の話ではなく、「自然と」が重要だと考えています。なぜなら損得関係は長続きしないですし、思いがこもっていない人が応援者になってくれてもその広報は他の人にまったく響かないからです。

逆にいえば、あなたが普段どれだけ他者の応援者になっているかも重要です。そしてこれも損得感情ではなく、「自然と」応援したくなっている、いや応援しちゃっているくらいの姿勢が求められます。

なんでも「おもしろそう!」と思って好奇心を持つことが大事だったりするのではと考えています。

原則7 SNSを活用する。

最後の原則は鉄板中の鉄板、SNSの活用です。

Facebookのイベントページのアイキャッチ画像をおしゃれにしたり、文章の書き方を工夫したりと、細かいテクニックをあげればたくさんありますが、SNSのいいところは、誰が興味を持っているかがわかることです。

「あ、このツイートをRTしてるってことは、この人参加するのかな?」

「この人が行くなら、私も行ってみようかな」

など、SNSではイベント情報に対してそれぞれの何かしらのリアクションが可視化されるので、輪が広がりやすいのです。

またSNSがあれば、イベント後も簡単に繋がることができるので、次回以降の情報を送ることもできます。「イベントに参加してきました」などの投稿をしてくれれば、さらに情報が広がります。(満足度が高いイベントにすることが前提ですが)

「外見」だけでなく「中身」が伴うイベントに!

ここまでイベントに人を集めるための7つの原則について紹介してきましたが、外見(広報)だけでなく、しっかり中身を伴うイベントにすることが最も大事だと考えています。

「期待して行ったけど、つまらなかった」

「参加して時間を無駄にした」

「内輪感があって、疎外感を感じた」

など、不満足な人が多ければ、今回は人が集まっても、次回以降は集まってくれない可能性があります。リピーターになってもらうためには、「どうやったら参加者に満足してもらえるか」そして「イベントの目的を達成できるか」を考え抜くことです。

「神は細部に宿る」とも言いますが、イベントのプログラムだけでなく、当日のスタッフの挨拶、会場の雰囲気、終了後のお礼メッセージなどなど、すべての部分に神は宿るのです。そしてもちろん広報にも。

素敵なイベントをたくさんつくっていきましょう!

何かご質問があればお気軽にお問い合わせください!

【土肥潤也(子ども・若者の地域参画コーディネーター) プロフィール】

静岡のNPOで活動をしながら、東京の大学院に通う。

静岡と東京の2拠点生活をする実践者兼学生(研究者)

プロフィール
土肥潤也(子ども・若者の地域参画コーディネーター )土肥潤也(どひじゅんや)プロフィール子ども・若者の地域参画コーディネーター。NPO法人わ...

【子ども・若者が政治的主体として参画できる社会に】

県知事も「おもしろい!」と言った若者の政治参加を進める3つの提案

県知事も「おもしろい!」と言った若者の政治参加を進める3つの提案
新春知事対談〜明けまして、ボクらの未来〜明けましておめでとうございます。更新があまり多くない本ブログですが、昨年同様に書ける時に書きたい記事...

学生ボランティアを無償の労働力にするのは最低だ

学生ボランティアを無償の労働力にするのは最悪だ。
なんとなく「ボランティア」という言葉に違和感を持つことがあります。本来は「自発的な」という意味なのに、日本のボランティアに自発性があることが...

プロセスに当事者がいない居場所はただの押し付けだ

プロセスに当事者がいない居場所はただの押し付けだ。
子ども・若者の居場所は大人の押し付け?約1年間準備をしてきた焼津駅前の若者の地域活動拠点が、今年の2月にオープンすることになりました。子ども...