日本の若者の人生は思う通りにならない?スウェーデンの若者の意識から学ぶこと

今年の6月にYEC(若者エンパワメント委員会)でスウェーデン王国を訪れ、「若者」そして「民主主義」ということをキーワードに、スウェーデンの若者の社会参加における先進的な取り組みや、持続可能な民主主義の仕組みなどの視察を行った。 そこで、私たちはこの視察において若者の社会参加に対する意識についてのアンケート調査を静岡と、ストックホルムの若者に対して行った。(アンケート調査の母数は各約100名ずつで、街頭で行った)この記事では、そのアンケートの結果からいくつかを抜粋し、日本とスウェーデンの若者の意識の違いについて考察し、今後の日本の若者について考えていくこととする。


  以下は、この調査にて「自分自身の人生に対してどれほど自分の思う通りになると思いますか。」(最大を10、最少を1)という質問の結果だ。 image001 image001 このグラフからわかるように、明らかにストックホルムの若者は自分自身の人生が自分の思う通りになると考えている。それと比較すると、静岡の若者の意識は真ん中の5が最多数で、日本人らしい回答になった。 次に「私たち一般国民の意見や希望は、国の政治にどの程度反映していると思いますか」という質問だ。 image003   image002ストックホルムの若者の約7割は自分たちの意見が少しでも政治に反映していると答えたが、静岡では、「十分反映している」と答えた若者はゼロで、ほとんどが「少しは反映している」と答えている。 最後にボランティア活動に関する質問だ。 「あなたは現在、学校外で自発的にバランティア活動をしていますか。」日本では、「若者の社会参加」というとボランティア活動をさせるのが一般的になっているが、スウェーデンの若者はどうだろうか。 image009 image008 グラフを見てもらえればわかるように、面白いことにストックホルムの若者よりも静岡の若者のほうがボランティア活動の経験があるという回答をした。


ここまで、実際に行ったアンケートの中から3つの質問を抜粋して考察できることが2つある。 ①若者の政治参加の向上には、若者の意見を聴く姿勢が必要 ②社会参加促進としてのボランティア活動は、あまり意味がない まず、1点目に関しては、2つ目の「私たち一般国民の意見や希望は、国の政治にどの程度反映していると思いますか」からとくに感じ取れることで、スウェーデンではかなり高い数字で「反映している」と答えた若者が多いことからわかるように、実際に意見が反映しているのだ。 日本では若者の投票率が低いと叫ばれているが、その原因は本当に若者にあるのであろうか。例えば、18歳選挙権についての報道が最近多くなったように感じるが、政党によっては国会議員が20歳以下の若者が政治に参加することによって不利な状況に陥るのではないだろうか。と懸念を抱いているというのが現状で、若者の意見を聴く以前の問題である。 スウェーデンは、若者が進んで社会に参加する国として注目されており、若者世代の投票率は約80%である。YECの創設者で、ストックホルム在住の両角達平氏の「なぜスウェーデンの若者の投票率は高いのか―学校選挙2014」では、スウェーデンの若者の投票率が高い理由について以下のように説明している。

若者のための意思決定の機会とその影響を受容することができる社会があり、実際に若者の意思決定が影響を与えていると、若者自身が感じれるようになることが、「若者の社会参加」が活きている社会であり、結果的に投票率にも現れるのだろう

次に2点目のボランティア活動については、国内でよく社会参加=ボランティアとして語られるものである。もちろんボランティア活動を批判するわけではないが、ボランティア活動とはそもそも自発的なものであり、大人が張り切って若者のボランティア活動を推進することが多い日本の取り組みは間違いで、スウェーデンのアンケートの結果からわかるように、ボランティア活動をしたからといって社会とのつながりの意識は芽生えず、社会参加の促進や投票率の向上につながるとは言えないだろう。 やはり日本の若者は自らには力がない。まさにディスエンパワメントの状態にあるといえ、それは若者を取り巻く環境に密接に関係している。自らが意思決定をする経験があらゆるところで奪われ、決まったレールの上を歩いているのが日本の若者で、様々なことを決めてしまう大人たちにも問題がある。 これからの日本に必要なのは、若者のエンパワメントであり、身近な意思決定が自発的な社会参加を促し、投票率の向上などにもつながると考えることができるのではないだろうか。 アンケートのすべての結果が閲覧出来る、YECスウェーデン視察報告書はこちらからダウンロードできます。