あなたに保障されている権利は何?

ドイツスタディツアー

2014年9月、NPO法人Rightsが企画をした「ドイツスタディツアー」に参加をし、政治教育(”political education”)の先進地であるドイツを約1週間訪問した。政治教育を中心的に進めている行政組織や、ドイツの若者団体、政党青年部などを訪れた。
ドイツの子ども参加は、このブログでも過去に取り上げたミュンヘンの取り組みなど、世界的に見ても先進的なものが多い。日本でも、ドイツの子ども参加の代表である「ミニミュンヘン」を参考に、全国各地で「子どものまち」が行なわれている。 そんな中、このスタディツアーではベルリンに位置するパンコウ区というところを訪ねた。パンコウは人口約30万人の地区で、ドイツの中でも子ども・若者参加においては先進的な地区であるという。具体的には、子どもたち(12歳〜21歳)のやりたいことを考えて提案し、子ども自身が審査員をしてどれだけ予算をつけるかも決めるユースジュリーというプロジェクトや、墓地をリニューアルしてつくる公園づくりを子ども参加で行うプロジェクト、子どもフォーラムという子どもと政治家との意見交換の場など、幅広い分野で子どもの参加・参画が促されており、日本への示唆も大きなものだった。(詳しくはまた別の記事でまとめることとする) パンコウ区では、上述したようなプロジェクトを進めている行政職員はもちろん、実際に子どもフォーラムに参加をした子どもたち(小学校高学年)にもヒアリングをすることができた。ヒアリングを受けてくれた子どもたちは、小学校高学年くらいの女の子6人組で(おそらく)はじめて会うであろう日本人たちに興味津々の様子だった。

日本の子どもたちに保障されている権利って?

ヒアリングをする中で、女の子のうちの一人が手を挙げ、「質問をしてもいい?」と尋ねてきた。どうぞと、伝えると、彼女は続けて 「日本の子どもたちの権利ってどうなっているの?」と驚くような質問をしてきた。 そこでこちらから「逆にあなたたちに保障されいる権利は何?」と尋ねてみた。そうすると彼女たちは少し考えてから、 「もちろん子どもの人権というものがある。私たちには授業を受ける権利があるけど、それだけではない。ご飯や飲み物を飲む権利、遊ぶ場所が確保されている権利もある」と答えてくれた。

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私はこの彼女たちの言葉を聞いて、圧倒的な感動を覚えた。小学校高学年の女の子たちが自らの権利について語る姿はあまりにも素敵すぎたからだ。同じ質問を日本の子どもたちに問いかけたらなんと答えるだろうか。 そのあともヒアリングを続けていると、環境問題に関心があるということを教えてくれたり、子どもフォーラムで実際に政治家と話すのは緊張したけど楽しかったと話してくれた。とても楽しく、胸が熱くなるヒアリングだった。

子どもたちに育まれる市民性

パンコウ区では、まさにシティズンシップが育まれているのだ。 ここで気になるのが、ここまでの小学生を育てているパンコウにはどんな秘密があるのかということ。しかし、それは何の秘密もない、純粋に子どもたちを「信じる」という姿勢だけだった。 「行政は子どもが意見を言いやすくなるようなサポートをするだけだ、あとは子どもたちが自分のやりたいことをわかっている」 この言葉は、パンコウ区の行政職員の方が教えてくれたことで、私自身も本当にその通りだと感じている。答えはすべて子どもたちが知っているし、大人は特別な事をしなくてもいい。ただ寄り添って、子どもたちにいろんな機会を提供していくだけなのだ。 最後になるが、日本ではどうしても子どもは「保護」の対象としてのみでしか考えられない。しかし、子どもたちも今の社会を担っているパートナーである。ただそれだけ考え方を変えるだけで、どんなに素晴らしい社会が待っているだろうか。