「◯◯について」を卒業しよう!だらだら会議を脱出する議題設定の仕方

ファシリテーション

突然ですが、下の会議の議題を見て、何か気付くことはありますか?

■■に関する検討会議

日時 20▲▲年▲月▲日

会場 ★★★会議場

議題

 1、◯◯について

 2、△△について

 3、□□について

これを見て、何も思わなかった方は、知らぬ間に日々の会議がだらだら会議であふれているかもしれません。

「◯◯について」はなぜ問題か?

今回、お伝えしたいのは、議題によく出てくる「◯◯について」を卒業しよう!ということです。

日々、いろんな会議に出席していると「◯◯について」と議題が書かれている会議に出くわすことが多いです。

  • 第◯期 事業計画について
  • A事業の予算案について
  • 新規採用について
  • 管理マニュアルについて
  • Z部会の活動について

資料をつくる人からしたら、その日、どんな議論になるかわからないし、とりあえず「◯◯について」としとけば問題ないだろう、ぐらいの気持ちで設定した者だと思います。

しかし、この議題こそ、参加者が会議の迷子にするだらだら会議を引き起こす原因になっています。

なぜなら、これらの議題は達成できる議題になっていないからです。

例えば、例に挙げた「第◯期 事業計画について」は、

「第◯期 事業計画」をつくるための議論がしたいのか、

「第◯期 事業計画」をブラッシュアップするための議論がしたいのか、

「第◯期 事業計画」を承認して欲しいのかなど、参加者はいろんな想像をします。

もちろん「事業計画」が議題で、その会議が毎年の総会であれば、参加者は「これは事業計画の承認をしてほしいのだな」と推測できますから、それほど問題にならないかもしれませんが、参加者の推測力に頼る議題になっている時点で会議としてアウトなのです。

つまり、議題が「◯◯について」だと、大きな方向性は見出せても、それについてどの段階まで持っていきたいのかが不明確で、参加者が迷子になってしまうのです。

会議主催者が、口頭でそのことを伝えることもできますが、会議中はその場の議論に意識がいくもの。

例えば、「第◯期 事業計画のたたき台を参加者に見てもらい、第◯期 事業計画をつくるためのアイデアをもらいたい」ことが、主催者が本当に話したかったことだったのに、たたき台の細かいことにあれこれと意見をつけられたり、見当違いな意見が出てくる可能性もあります。

こうして会議参加者が会議のゴールの共通認識が持てないと、「今何について話しているわからない」「議論が長引く」「何が決まったのかわからない」、そんな「だらだら会議」を引き起こしているのです。

達成できる議題を設定する

だらだら会議を脱却するための簡単な方法、達成できる議題を設定すれば良いのです。

つまり、いままで「◯◯について」だった議題を、「◯◯を××という状態にする」という風に変えるだけで、会議の成果が大きく変わります。

  • 第◯期 事業計画を会議参加者から承認が得られる状態にする
  • A事業の予算案に関して、会議参加者から意見をもらい、次回の□□会議にかけられる状態にする
  • 来年度の新規採用のフローを確定させる
  • 管理マニュアルの原案をつくるためのアイデア出しをする
  • 来年度に向けて、Z部会の活動を見直すために、事業評価を行う

例えば、こんな感じです。

議題が明確になると、「今日はこのことについて話すんだな」と、参加者の推測力に頼らずとも、会議全体でゴールに向かうことができます。

逆に、「◯◯について」が議題の会議では、何を目指して議論したいのかがわからないため、参加者も探り探り意見を言うか、その議題について言いたいことを言うかしかありません。

議題設定は参加者からでも働き

会議における適切な議題設定をすることは、会議主催者の最低限の責任だと考えています。

その場に集まる人は、自分の時間を割いて来ているわけですから、できるだけ短時間で、成果が出る会議をつくることが求められます。

そのためには、きちんと参加者に会議のゴールを示し、「今日はここまで達成したいから、よろしくお願いします」と、伝えられた方が良いですし、それが資料として書かれていることが重要です。

上でも少し書きましたが、人間は想像以上に忘れっぽい生き物で、目の前の議論に集中します。

「今、議題から議論が逸れているな」と思っても、議題が「◯◯について」だと、そのことに気付く人も少ないかもしれません。

仮に議論がズレたとき、主催者から「今日は、そのことについて話しませんから議論を戻しましょう」と言っても、「だったら先に言えよ!」とモヤモヤ思う人もいるかもしれません。

しかし、きちんと達成できる議題になっていれば、「あ、今議論が逸れてる!」と意識的になることができ、参加者全員でゴールに向かっていく体制づくりができます。

そういった意味で、きちんと書かれているというのは大事なことだと考えています。

また、もし、あなたが参加者として参加する会議の議題が「◯◯について」になっていた場合は、会議の最初にこう聞けば良いのです。

「◯◯について」とありますが、今日はこのテーマをどのくらいの状態に持っていきたいと考えていますか?

会議主催者のなかには、そのイメージがあると思いますから、最初に会議の方向づけを確認し、参加者と共有し合うことで、だらだら会議を脱出しましょう!

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プロフィール 土肥潤也/Junya Dohi
土肥潤也(どひじゅんや)プロフィールコミュニティファシリテーター1995年、静岡県焼津市生まれ。早稲田大学社会科学研究科修士課程・都市・コミュニティデザイン論専攻。大学時代から若者の社会・政治参加に関する活動に参加し、学部3年生の時にN...