ファシリテーション

なんで今ファシリテーションが求められているのか?

最近、「ファシリテーション」という言葉を耳にすることが増えました。

学校や企業、まちづくり活動の現場など、様々な場面でファシリテーターが求められるようになってきています。

なんでファシリテーションが注目され始めているのでしょうか?

今回の記事では、具体的な手法ではなく、ファシリテーションが求められるようになった時代背景について、私なりに整理をしてみたいと思います。

時代や社会の背景を理解することは、より納得感を持ってファシリテーションの手法を修得することに繋がっていきます。

そもそもファシリテーションってなに?

ファシリテート(Facilitate)の英単語には、「促す・促進する」「容易にする」「円滑にする」を意味を持っており、これを名詞形にしたのが「ファシリテーション(Facilitation)」です。

ファシリテーションの普及を目指して、発足された(特非)日本ファシリテーション協会によれば、

「人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りすること」

がファシリテーションの定義です。

ファシリテーション・ファシリテーターと聞くと、会議や話し合いの場の進行役というイメージが強いかもしれません。

しかし、ファシリテーターの出番は様々なところにあり、教育や学習、組織開発、環境活動、まちづくり活動、自己理解など、その幅も広がっています。

ファシリテーターの特徴は、プロセスの舵取りをすることです。普通の会議の進行役であれば、既に決められている議題を時間通りに進めていくことが求められます。

しかし、ファシリテーターは、参加者のひとりひとりの思いから、会議のプロセスのデザインを行い、時として、その場で議題を変えることもあります。

参加者の当事者意識と主体的な参加を促すのが、ファシリテーターの役割です。

学校教育とアクティブ・ラーニング

ファシリテーションが求められるようになってきた背景について、具体的な事例を使って説明してみたいと思います。

例えば、学校教育。

学校教育は時代や社会を映し出す鏡とも言われます。

その時代や社会が、どんな子ども・若者を育てようとしているのかが、教育のあり方に大きく影響をするからです。

現在、学校教育の現場では、従来の受動的な学びの場から、生徒が主体的に学習する場への転換が求められています。

教師が一方的に話し続ける学習スタイルから、グループワークなどを活用した対話的で深い学びが重要とされています。

こうした主体的な学習方法のことを「アクティブ・ラーニング」と呼びます。

「アクティブ・ラーニング」導入の背景を追うと、複雑で未来が見えない時代への転換が見えてきます。

文部科学省のアクティブ・ラーニングに関する資料では、「予測困難な時代に、一人一人が未来の創り手となる」をタイトルに、知識・情報・技術が急速に変化し、情報化やグローバル化といった社会的変化が人間の予測を超えて起こっていることから、一人一人が自分の頭で考え、未来を切り拓く主体を育てる教育が必要だと述べられています。

これまでの社会では、自分の頭で考えるよりも、既にあるマニュアルや設計図通りに、丁寧に仕事をすることが求められていました。

しかし、これからは、マニュアル通りの仕事をしていると、時代の急速な変化に追いつくことができません。

未来が予測できない時代になった

例えば、テクノロジーの進化は急激に進んでいます。

携帯電話が出現したと思っていたら、あっという間にスマートフォンが登場し、2018年のデータによれば、約8割の人が所有をしています。

現在は、さらにそこから進んで、通信機能を持った時計やメガネの開発も進んでいます。スマートフォンから次の端末に移行するのももうすぐかもしれません。

AIやロボットの開発もかなりのスピードです。

ロボットといえば、ドラえもんがついにできるのか!とワクワクする部分もありますが、そんなに明るい話ばかりではありません。

人間の単純作業は、AIやロボットによって代替されていく可能性があるのです。

ある研究論文によれば、20年以内に、いまある仕事の49%はなくなるとも言われています。あなたの仕事はどうなるでしょうか?

つまり、誰にも未来が予測できない時代に突入しているのです。

だからこそ、それに合わせて、学校教育も「アクティブ・ラーニング」を導入し、誰かからの指示や命令ではなく、自分たちで課題を設定し、創造的なアイデアを生み出し、問題解決をするチカラを育てようとしています。

圧倒的な強いリーダーからの指揮ではなく、一人一人が持っている知識や経験を総動員して、答えがない問いに向き合うことが求められています。

創造的な話し合いを支えるファシリテーション

そして、その大きな手助けをするのが、「ファシリテーション」です。

人が一緒に何かを進めようとするとき、まず「話し合い」から始めます。

この話し合いで、誰かひとりが話し続けていたり、自分の意見がぞんざいに扱われると感じる人がいたり、相互作用が起こらない淡白な内容になっていると、創造的な成果を産み出すことはできません。

お互いが持っている知識や経験、感性を、安心安全に出し合うことができ、それぞれの違いから、アイデアや考えを掛け算していく人間関係。

そんな場の創造を支援をするのがファシリテーションであり、これから様々な組織にとって重要な手法・考え方です。

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ABOUT ME
土肥 潤也
「コミュニティファシリテーター」という肩書きで、すべての人が主役になれるコミュニティづくりに取り組んでいます。コミュニティラボCO-℃(コード)代表、NPO法人わかもののまち 代表理事、日本シティズンシップ教育フォーラム運営委員、内閣府「子供・若者育成支援のための有識者会議」構成員