まちづくりの実験

子どもがいない公園、公共圏を市民に取り戻す。

公園は誰のものか?

NHKのニュースに「子どもがいない 公園は誰のもの?」という記事が千葉大の木下勇先生のコメント付きで紹介されていました。
 
「当児童公園内での球技禁止」
こうした禁止事項を記した看板が多数掲げられた公園を紹介する動画が今月、SNSで話題となりました。児童公園と名付けられているのに、子どもの姿はありません。私自身が子どものころは、ボール遊びが楽しめる公園はかなりあったように思います。今、公園は誰のものなのでしょうか。 (続く)
(NHK HPより)

禁止の前に「対話」が必要ではないか。

地元だと「ゲートボールのおじいちゃん・おばあちゃん vs 子どもたち」というのもよく聞きます。
 
走り回ったり、ボール遊びをする子どもたちによってグランドをデコボコにされてしまうと、ゲートボールをするときにボールがまっすぐ転がらなくなる。そうしたこと気にするおじいちゃん、おばあちゃんが行政や自治会に苦情を言って「ボール遊び禁止」という公園も多いという話です。(聞いた話なので事実と異なるかもしれませんが)
 
大人なんだからもうちょっと子どもたちのことも考えてあげてよね、という思いもありつつも、おじいちゃん・おばあちゃんの気持ちはよくわかります。毎度毎度グランドがデコボコだと確かにいらいらして、苦情もいれたくなるのでしょう。
 
しかし、だからといってすぐに「禁止」するのは一足飛びな気もします。
 
公共圏としての公園だからこそ、子どもたちを含めた地元住民が対話をし、その利用の仕方について考える必要があるのではないでしょうか。 
 
上から「禁止!」としてしまうのはお互い気持ちのよくないものです。というか、自分たちの公園のことなのだから、自分たちで話して解決したいですよね。それが市民自治です。 

新宿区「しんかいばし公園」の子ども参加 

僕が所属している卯月研究室では過去に新宿区の児童遊園を子ども参加でつくるプロセスを支援したという話を聞きました。
この公園のすぐそばには児童館が近接しているため、設計プロセスのすべての段階で、児童館の協力をいただきながら、こどもたちの意見や提案を前提に進めた
 
日本では、公園の設計における住民参加とこども参加の事例が比較的多いが、プロセスの一部にこどものアイデアを取り入れている事例がほとんどで、プロセス全体にこどもの参加がある事例は極めて少ない。しんかいばし児童遊園においては、児童館の2年におよぶ協力が得られたおかげで、最初の遊び体験から最終的な運営段階まで、長期にわたってこどもの参加が得られた。
 
このことは、利用しやすい公園の設計という視点を越えて、こども達の両親や祖父母をはじめ、地域全体を巻き込むことにつながり、コミュニティ形成に良い影響を与えた。さらに、こどもがまちづくりや社会を学ぶための教材として、地域の公園の設計が極めて有効であることを私達に教えてくれた。
(卯月研究室HPより)
 
児童遊園の場合は、「児童のための」という色が強いために、若干意味が変わってくるかもしれませんが、「公園サポーターズ」なる大人のサポーターチームも結成され、プロジェクトから10年近く経った今も継続しているとのことです。
 
そして、この公園づくりは、卯月研究室のHPにも書いてあるように、使いやすい公園をつくるという視点を超えて、公園づくりが地域コミュニティ形成に好影響を与えたということです。
 
子どもたちがコミュニティの中心となり、大人が繋がり、地域が繋がり、自治コミュニティが活性化した事例です。
 
自分たちの最も身近なところだからこそ、自分たちの手で決めていく、話し合っていくという考え方が大事なのではないでしょうか。今こうしてその理念と手法を学んでいる立場として、地元の公園づくりにも関わっていきたいなと思っています。
 
 
■しんかいばし児童遊園プロジェクト
 
■NHKのニュース「子どもがいない 公園は誰のもの?」
 
ABOUT ME
土肥 潤也
「コミュニティファシリテーター」という肩書きで、すべての人が主役になれるコミュニティづくりに取り組んでいます。コミュニティラボCO-℃(コード)代表、NPO法人わかもののまち 代表理事、日本シティズンシップ教育フォーラム運営委員、内閣府「子供・若者育成支援のための有識者会議」構成員