子ども目線のまちづくりは、子ども目線でしか評価できない!
6月は研究室の調査で高知に行ってきました。
目的は、子どもが応募し、子どもが審査する「こうちこどもファンド」の公開審査会の見学!

こうちこどもファンドとは?
こうちこどもファンドは、子どものまちづくり活動に助成をするまちづくりファンドで、高知市が2000万円を積立て、2012年に設立されました。
高知市の積立のほかに、市民や民間企業からの寄付も受付け、多い年は年間300万以上の寄付金が集まったそうです。そんなことから、寄付金だけで運営されており、積立金はそっくりそのまま残っているようです。これぞ市民力。
こどもファンドの助成対象は、18歳以下の子ども3人以上で構成されるグループで、グループごとに20歳以上の大人サポーターが2人以上つくのも条件です。助成金の上限は20万円の100パーセント助成です。
こどもファンドの一番の魅力は、その審査を18歳以下のこども審査員が担うことです。今年度の最年少は小学3年生!全10名程度で構成され、こども審査員も公募で集まります。
今年度は6団体からの応募があり、公開審査会では、その応募内容についてのプレゼンテーションがありました。
中学・高校の生徒会、地域のこども会が中心となったもの、過去のこども審査員経験者がグループをつくって応募したグループなど、取り組みも様々です。

公開審査会はガチンコ勝負!
例えば、防災食をテーマにしたグループ。
「南海トラフ地震が起こったときに食べるものがないと僕らは困る。だから地域の畑でさつまいもを育てて、防災食の備えをしたい!」というプレゼンテーション。
こども審査委員からは「さつまいもは育てた後、どこに保存しておくんですか?」「さつまいもは何個くらい育てるんですか?」などと鋭い質問。
過去は、こども審査員だけでは不安と思い、こども審査員と大人審査員もいたそうですが、年数を重ねるごとに「こども審査員だけで大丈夫だね」となっていき、大人審査員は発言権や質問権はあるけれど、審査の決定権はない立場に変わっていったそうです。
「こども目線のまちづくりは、こども目線でしか評価できない。」
この言葉は、このこどもファンドの仕掛け人で、現在の審査委員長でもある(そして僕の研究室の先生である)卯月盛夫先生の言葉です。
今年で6年目になるこどもファンド。
過去の参加者が高知愛に目覚めて、進路に影響をしたり、新たな活動が始まったりしているということも耳にしました!子どももまちづくりの主人公です!
7月
【土肥潤也(子ども・若者の地域参画コーディネーター) プロフィール】
静岡のNPOで活動をしながら、東京の大学院に通う。
静岡と東京の2拠点生活をする実践者兼学生(研究者)
https://dohijun.com/junya-dohi/
【子ども・若者が政治的主体として参画できる社会に】
県知事も「おもしろい!」と言った若者の政治参加を進める3つの提案

学生ボランティアを無償の労働力にするのは最低だ

プロセスに当事者がいない居場所はただの押し付けだ
