「わかもののまち静岡」はどうしてはじまってか?
静岡を守っていく人がいなくなるのが寂しい。最初はそれがはじまりでした。
地方創生を叫ぶ日本国内で、特に人口減少が全国第2位と報道された静岡県。この報道を受けて、このままじゃやばい、僕たちに何かできないかと考えました。
いろいろ考えた上で、地域で活動をする4団体が連合体となり「わかもののまち・静岡」実行委員会を2015年4月に立ち上がります。

静岡市の地方創生の総合戦略に僕ら若者の思いを乗せたい。これからも長く生きていくのは会議室で話合っているおじさんたちではなくて、僕たち若者なのだから。
「わかもののまち・静岡」は、若者の素朴な思いに寄り添うことを一番の理念にしています。個々を尊重すること。民主主義を基盤としたまちを目指すこと。それを絶対的な価値観におきました。
そんなまちこそ僕らのつくりたいまちで、最も未来のあるまちだと歴史も教えてくれています。揺るぎない理念です。 そして、それから静岡市への提言を大きく3つの方法でまとめていくことがはじまりました。
ひとつ目は、若者の思いをたくさん集めること。
実行委員会に集ったメンバーだけで提言をまとめるだけでは、静岡の若者の思いとは言うことができない。それは僕らの思いに過ぎません。
そこで、静岡市に在住、在学、在勤の若者に「どんなまちなら住みたい?」「どんなまちなら住み続けたい?」という質問を投げかけて、賛同とセットにする形で思い集めていきました。

まちに出て街頭で集めたり、友達を通して広げていったりと、合計20団体、約2000名の若者の思いを集めることができました。、本当にたくさんの協力の賜物です。本当にありがとうございます。
実際に使った賛同書。最初は一枚に一人という賛同書にしたので、かなり数がかさばりました 笑 本当に素朴な思いがたくさん集まりました。
ダンスを練習する場所がほしい。
国際協力がしたいのに高校生だからできない。
放課後勉強する場所がほしい。
そんな素朴な思いがたくさん出て来ました。
ふたつ目は、先進事例から学ぶこと。
もともと若者支援の活動に携わっていたこともあり、前から知っているものもありましたが、たくさんの事例を日本中・世界中から集めて、研究して、どれが静岡に合うか考えていきました。静岡市の総合計画を読み整合性も考えました。提言書にまとめることができたのは、視察やヒアリングを快く受けてくださった全国・世界の皆さんの協力があったからです。

金沢市、高知市、遊佐町、世田谷区、ドイツ、スウェーデン、イギリス… この素晴らしい先進地とあわせてくれた人・機会に心から感謝しています。写真は何度も足を運び、最も影響を受けた金沢の写真です。(金沢の仲間達にまた会いたい!)
みっつ目は、大学の先生方の助け。
まとめた提言にたくさんのコメントをいただきました。心温まる応援メッセージもいただきました。提言を地に足をつけたものにしてくれたのは、先生方のコメントがあったからだと思います。
「わかもののまち・静岡」の立ち上げから協力下さっている静岡県立大の津富先生をはじめ、人口動態の専門家である静岡県立大 鬼頭学長、静岡の様々な自治体と関わられている静岡大学の日詰先生、教育学を専門としユースセンターの設置を一番応援してくれた静岡大学大学院の原田先生。どの先生方もお忙しい中、僕たちに多くの時間を割いてれました。
まとめた提言は発表会で発表。たたきを市民の皆さんからもらいました。
ある程度、提言の内容が固まったところ発表会を行って若者だけでなく、広く市民の皆さんにたたきをもらいました。「わかもののまち」は若者だけのまちではなく、すべての人のまちなんです。当たり前なんですけどね。


60名近い方が参加して下さりました。下は高校生、上は50代60代。色んな人が集まってくれました。
多様な人が集まった場だからこそ、多様な議論がなされました。そして楽しそう。こんな場がたくさんつくっていくことがこれからの静岡なんだと実感しました。動きながら色んなことに気付いていきます。
そして今日。市長に提言を渡すことができました。

ここまで作ってきた提言書を田辺静岡市長に直接お渡しできました。これはひとつの節目に過ぎないですし、これだけでは静岡の人口減少問題なんて解決しないんですけど、とても感慨深い。今日はすごい胸が熱くなりました。
最初は活動を共にする仲間との雑談で「なんかできないかな」というところからはじまったのが、いま市長に思いを伝えている自分たちがいる。
「感謝」それだけです。すべての人に「ありがとう」です。
すべての人にありがとうです。本当にそれだけです。
一緒に提言をまとめた仲間達。YECの代表の水島。
金沢に一緒に行ったことをきっかけに仲間になった地域コラボプロジェクトの西さん、荒岡、海里。
たまたまミーティングに来ていて興味を持ってくれた明里。
スウェーデンに感化され静岡にもユースセンターをつくりたいという気持ちで動いてくれた杏佳。
突然の連絡なのに電話一本で快く「やります!」と言ってくれたあやかちゃんと、ユーリック、Lipの木村くん、ミズオチ交流会の山下くん。
賛同書を一緒に集めてくれた各大学、高校の仲間達。賛同書を書いてくださった皆さん。
街頭で突然話しかけられても優しく対応してくれた皆さん。
様々な現場で活動している若者団体の皆さん。
応援して下さっている市民の皆さん。
提言をまとめる時にアドバイスを下さった先生方。
提言の参考にさせていただいた全国、世界中の皆さん。
市長面談の準備をはじめ、提言内容を市政に取り入れるように検討して下さっている静岡市の皆さん。
無理なお願いにも関わらず、何度も取材していただいている報道各社の皆さん。
そして、ここまで地盤を整えてくれた活動の先輩方。

こうして僕らがこの場に立てたのは、決して僕たちの力ではありません。
たまたま僕らがここにいるのかもしれません。
多くの方の協力、支えがあって僕らはここにいるんです。
社会はやっぱりひとりでは変えられません。
たくさんの感謝とつながりがあって社会が変わっていく。そんな気がします。
そして、市長からもコメントをいただきましたが、僕らにはここにいる「責任」があります。市長と会ったね、よかったね、という思い出づくりのためにここにいるわけではありません。
社会を変えるためにこの場にいるんです。
それだけが揺るぎのない目標です。まだまだ社会を変える道のりは長いですが、一歩。一歩。
少しずつ進んでいるそんな実感はあります。たまに立ち止まって足元を見ながら、また歩みを進めます。